「数字は心を満たしてくれない」人気YouTuberが数字より欲しいもの【たいぽん】

2018.09.12 バラエティ
KEYWORD : #ゲーム,#ファン作り,#自己プロデュース,#音楽

60万人ものチャンネル登録者数を持つ人気YouTuberのたいぽんさんは、一度YouTube引退宣言をしている。2016年の年末に「チャンネル登録者数が2017年内に100万人に到達しなければYouTubeを引退する」と宣言(当時、登録者数は50万人)。翌2017年の年末時点で登録者は60万人にとどまり、そのまま引退したが、わずか1か月後に復帰した。

実は、引退宣言の真意は「辞めるきっかけ作り」だった。人気YouTuberの苦悩に迫る。

 

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辞めるきっかけが欲しかった

はぎぱん:2016年の年末に「来年100万人に到達しなかったらYouTubeを辞めます」と伝えた時は、どんな心境だったんでしょうか。

 

たいぽん:引退宣言した時は、本当に辞めたかったんです。正直「絶対に100万人はいかないだろうな」と思っていて、辞めるきっかけを作るために宣言しました。ただ、2017年の夏にバンドを解散して時間的な余裕ができるなどの変化があり、その後の1年間で「やっぱり続けようか」という気持ちも生まれました。とはいえ心身ともに疲れていましたし、100万人にも到達しなかったので「引退します」と言って1か月休止しました。

 

 

はぎぱん:1年のうちに続ける意欲を取り戻せたんですね。やはり、バンドを解散して忙しさを緩和できたのがよかったんでしょうか。

 

たいぽん:そうですね。バンド活動とYouTube活動の両方を自分のペースで続けていたら引退発言もしなかったんでしょうけど、当時は忙しいからってどちらかだけに絞る気にもなれず……やっぱり両方やりたかったんですね。でも、一度休まないと続けられないなと思って「引退します」と言って休止しました。

 

はぎぱん:休んでいる間はどんなことをなさっていたんですか?

 

 

たいぽん:ゆっくり過ごしつつ、今後の活動に向けて動いていました。バンドは解散しましたけど音楽は続けたくて、新しい音楽活動をするために環境を整えていたんです。直感で行動するタイプなので、自分がやりたい音楽をやれるようにしたい。今はまだお伝えできませんが、年内には形にできるかと思います。

 

はぎぱん:そうなんですね!とっても楽しみです。これから注力したいのは、やはり音楽活動でしょうか?

 

たいぽん:やっぱり今一番優先したいのは音楽活動です。YouTubeも楽しいですし続けますけど、YouTubeは俺のことを知ってもらうきっかけになればいいなと思います。音楽活動するにしても好きになってもらうまでの過程が大切だと思うので、YouTubeも続けて俺のことを見つけてくれる人を増やしたいですね。

 

数字は心を満たしてくれない

 

はぎぱん:今は新しい音楽活動の実現を目指しているとのことですが、チャンネル登録者数が60万人もいるだけで相当すごいですよね。実際、どこまでいったら満足すると思いますか?

 

たいぽん:ぶっちゃけ、永遠に満たされないと思います。少なくとも再生数とかチャンネル登録者数とか、数には満たされないですよね。だって際限がないじゃないですか。どちらかというと、自分がやりたいことがスムーズにできる環境に満たされます。

 

はぎぱん:今のたいぽんさんで言うなら、好きな音楽をやりたいことですよね。現在の満足度は何%くらいですか?

 

 

たいぽん:10%くらいかな。まだまだ準備段階で、少しもうまくいってないと思ってます。1年前にバンドを解散した時から新しい音楽活動への気持ちはあったのに、全然形になってないですから。なんにせよ、俺は数で判断せず環境に目を向けた方がいいと思います。やりたいことを実現できる環境があるかどうか。俺は自分主導で好きな音楽を作れて、いっしょに音楽をやりたいメンバーがいる状態を早く作りたいです。

 

はぎぱん:たいぽんさんはフリーでの活動経験と事務所の所属経験の両方がありますが、環境の違いは感じますか?

 

たいぽん:YouTubeって、事務所に入らなくてもひとりでできるじゃないですか。だから「事務所に入らなきゃいけない」とは思いませんが、やっぱり事務所に入っていると何かあった時に動画を守ってくれたり、対応が早かったりはしますよね。個人より会社の方が撮影許可をもらいやすかったり、イベント運営も事務所でやってくれたり、いろいろと恩恵はあります。結局は使い道次第ですね。事務所選びは自分が何に注力したいかによると思います。俺だったら音楽活動に注力したいから、入るとしたらそこを踏まえて選ぶことになりますし。

 

はぎぱん:確かに、炎上したり規約違反通告がきたりすると何らかの対応を迫られますよね。たいぽんさんはそういったご経験はありますか?

 

 

たいぽん:俺、動画で炎上したことはないんですよ。ある程度人気になると大体のYouTuberは炎上を経験するんですが、一度もないです。自分で言うのもなんですが、俺はやさしいんです(笑)やさしいことが唯一の取柄ってくらいで。だから撮影する時も「だれか傷ついたりしないかな」と考えるし、常識も踏まえて企画を練るし、炎上しないように作ってます。

 

はぎぱん:おっしゃるとおり、お話ししているとやさしい雰囲気がものすごく伝わってきます。

 

たいぽん:俺のファンもいい子が多いですよ。ストーカーとか迷惑行為はほとんどされたことがないですし、家を特定されたこともないです。ライブには何百人もファンが来てくれましたが、みんなマナーが良かった。ファンはその人の写し鏡だって言うじゃないですか。だからファンのマナーが良いと、こっちもうれしいですよね。

 

はぎぱん:きっと、たいぽんさん自身も神対応なんでしょうね。

 

 

たいぽん:そうですね、街で話しかけられたら急いでない限りサインにも写真にも応じますし、時間があればしばらく立ち話することもあります。ライブで石川県に行った時に、ラーメン屋さんの外で出待ちされたことがあって。5人組の男の子だったんですけど、2時間くらい話しましたね。俺も何が流行っているか気になるし、単純に楽しいので。恋愛相談にのったりもしました。そんなに近い距離感でもないですが、友達と話している感覚です。それに、「好きです」とか「応援してます」とか言ってもらえるのはうれしいですから。

 

はぎぱん:反対に、つらかったことはありますか?

 

 

たいぽん:勘違いされるのは嫌ですね。言葉を違った意味合いで解釈されて、勝手に悪いイメージを持たれるのは大嫌いです。そもそも、実際に話してみないとその人の性格ってわからないじゃないですか。モノ申す系YouTuberのシバターさんだって、実際に会った人は大体「良い人だった」って言いますし。YouTuberにしても芸能人にしても、画面越しの印象だけで判断するのは良くないですよね。悪口とか書かれると、普通に悲しいですよ。

 

アンチ対策について聞くと、清々しい答えが返ってきた。

 

 

たいぽん:アンチに対しては「ふざけんな」と思っていましたが、今は「会ったら俺のこと好きになるだろうな」と思っています。俺はやさしいので(笑)、嫌われたことがないんですよ。ケンカもしたことない。だから、少なくとも嫌いにはならないだろうと思いますね。

 

行動して、生きた証を残したい

 

はぎぱん:これからのYouTuber活動は、どういう風に続けていきたいですか?

 

たいぽん:音楽とYouTubeの2足のわらじで、マイペースに動画投稿していきたいですね。音楽活動を本格的にスタートしても、動画と音楽を1:1で続けたいです。ただ10年後をイメージすると、YouTubeより音楽をやっている可能性の方が高いので、どちらかというと音楽活動に重点を置きたいです。

 

はぎぱん:たいぽんさんのように、自分の名前で活躍したいと考えている人も多いです。これから個人での活動に挑戦する人に向けて、メッセージをいただけますか?

 

 

たいぽん:あんまり深く考えずに、とにかくやってみたらいいんじゃないかと思います。夢を人に言うのは恥ずかしいと思うんですけど……俺もYouTuber活動を始めた頃は「あいつまた動画上げたぞ」ってバカにされていました。でも今は全然バカにされないし、逆に「すごいね」って言われます。もちろん、失敗するリスクもありますし、ずっとうまくいかない人もいます。でも、それもやってみないとわからないじゃないですか。

 

たいぽんさんは「俺、やらずに死ぬのは嫌なんです」と言う。

 

たいぽん:行動して生きた証を残したいんですよ。俺は明日死ぬかもしれないし、今日死ぬかもしれない。だったら、やりたいことをやった方が良いんじゃないかな。死んでからじゃ後悔すらできないですよ。人生一回きりなんで、俺は全力でやり切りたいです。

 

 

涼しげな目元が熱っぽくなる。たいぽんさんはビジュアル系バンドが好きだと言うが、その理由は「一生懸命だから」だそうだ。彼自身の言葉にも、ビジュアル系バンドと同じ世界観が宿っていた。

 

▼たいぽんさんの撮影風景密着記事
アダルティックYouTuber・たいぽんの動画撮影に密着してみた

取材・文/はぎぱん 写真/ひらはらあい

 

『たいぽん/TAIPON』YouTubeチャンネル

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