内気な音楽少年が学校を中退し、人気YouTuberになるまで【たいぽん】

2018.09.07 バラエティ
KEYWORD : #学生,#自己プロデュース,#音楽

 

 

「普通に生きて死ぬのが嫌だった」。チャンネル登録者数60万人を誇る人気YouTuberのたいぽんさんは、YouTuberになった理由についてこう述べる。今年25歳とまだまだ若いが、YouTube歴は約5年。YouTuberの中でも古株だ。

 

 

YouTuber以外でも、ロックバンドやアパレルブランドを立ち上げ、SSI公認アダルティック親善大使に任命されるなど、活動は多岐にわたる。しかし、人気が出るまでは苦労も多かった。音楽の専門学校を中退し、数年のフリーター期間を経てからYouTuberになっている。人気が出てからも、YouTuber活動の休止やロックバンドの解散、事務所の移り変わりなどさまざまな壁にぶつかってきた。

 

 

彼はどうやって普通の人生から脱却し、人気者になったのか。YouTuber初期から活躍し、多くの人気YouTuberとも触れ合ってきたたいぽんさんに、YouTuberとして人気を集めるまでの過程を伺った。

 

ずっと何者かになりたかった

はぎぱん:YouTubeを始めた理由について「有名になりたかった」と仰っていましたが、当初はどんなことを考えていらっしゃいましたか?

 

 

たいぽん:普通に生きて死ぬのが嫌だったんです。普通だったら高校を卒業して大学に行って、そこから就職して結婚してっていう人生になるじゃないですか。それが嫌だったんですよ。何かしらになりたかったんです。

 

たいぽんさんはYouTuberになる前、音楽の専門学校に通っていた。中学生の時にバンド活動を始め、ベースを担当していたという。

 

はぎぱん:音楽に興味を持ったのも「何者かになりたい」という思いがきっかけだったんでしょうか。

 

 

たいぽん:最初は有名になりたいというより、目立ちたいという気持ちが強かったかもしれません。俺は結構内気なんですけど、バンドだったら内気でも舞台に立って演奏できるんで、注目されるチャンスがあったんですよね。もともと音楽が好きで、純粋に「おもしろそうだな」と思ってやっていたんですが、バンド活動を通じて「目立ちたい」「有名になりたい」という思いが膨らんでいったように思います。

 

高校卒業後に音楽の専門学校に入学するも、1年足らずで中退している。

 

はぎぱん:音楽系の専門学校に進もうと決めたのはなぜですか?

 

 

たいぽん:高校で軽音楽部にいたので、進路は一般的な大学に進学するか、音楽の道に進むかのどっちかだったんです。俺は大学に興味がなくて、それだったら自分が好きな音楽を選ぼうと思って高校と提携している音楽の専門学校を選びました。その学校は個人レッスンがあってマンツーマンで習えるので、ベースを極めようと思ったんですよね。

 

はぎぱん:でも、1年経たずに中退されたと。何が合わなかったんでしょう?

 

 

たいぽん:いっしょにバンドを組みたいと思える人がいなかったのと……自分の問題もありますね。サボってたんです(笑)実技は楽しかったんですけど、音楽理論が難しくて全然わからなくて……投げだしました。それでサボり癖がついて、授業を受けずに友達とコンビニでたむろして遊んでて。全然学校に行っていないのに、また来年も通うってなったら100万円以上授業料がかかるわけじゃないですか。俺は奨学金をもらって通っていたので、結局は将来の自分が払うことになるし「あと1年在学したとしても結局辞めそうだな」と思ったので中退しました。

 

はぎぱん:思い切りがいいですね!とはいえ、当時は音楽で生きていくつもりで進学したわけで、YouTubeも始めていない時期ですよね。迷いや不安はありませんでしたか?

 

 

たいぽん:あんまり深く考え込まない性格なので、それほど…。専門学校では音楽を人から教われるのがメリットですけど、ぶっちゃけ楽器は独学で練習できるじゃないですか。

 

はぎぱん:独学で極める人もいますもんね。学校を辞める時、ご両親にはどうやって伝えたんでしょうか。

 

たいぽん:親には正直に「どっちにしろ続かない気がするし、中退してもどうにかするから」と言って納得してもらいました。もともと両親とも俺のやりたいことを尊重してくれるタイプだったので、そんなに反対されませんでしたね。当時は実家暮らしだったので、家賃の心配もありませんでした。そこからはフリーター生活をしています。

 

職を転々としたフリーター時代

たいぽんさんは実にたくさんの仕事を転々としている。薬局のアルバイトを2年間続けたあと、紳士服のチェーン店で派遣社員になった。そこから正社員になるかと思いきや、なんと2日で辞めたという。

 

 

たいぽん:「派遣社員になったし、俺もちゃんとした社会人になるのかな」なんて思っていたら、全然続きませんでしたね。理由は……人からは下らないって言われると思うんですけど、髪を短くしろって言われたからです。いや、一応切ったんですよ。限界まで切って「これでOK」と思って出社したら、その店舗の社員さんから「長い」って言われて。これ以上短くするのは無理!と思って辞めました。若かったですね(笑)

 

はぎぱん:確かに髪型は譲れないですよね。ちなみに、今でも「髪をもっと短くしろ」と言われたら辞めると思いますか?

 

 

たいぽん:…辞めますね(笑)本当に短くするの嫌いなんですよ。でも、さすがにその時は親からも呆れられました。「お前、本気か?」って言われたんですけど、辞めちゃったものはしょうがないじゃないですか。また新しいバイトを探して、ガソリンスタンドや靴屋で働きました。一番長く続いたのは靴屋で、3年間働いていましたね。お店側からは「こいつはすぐに辞めるだろう」と思われていたみたいなんですが、意外と長く続いて。その時にYouTubeを本格的に始めました。

 

生まれて初めて“生きがい”を感じたYouTube

もともとYouTuberの動画が好きだったというたいぽんさん。自身でYouTube動画を投稿し始めたら、その楽しさにやみつきになった。

 

 

たいぽん:もう、彼女が要らないくらい楽しかったです。最初は商品紹介みたいな動画が多くて、とにかくやりたい企画を片っ端から動画にしていました。本能のままにやっていたという感じです。楽しかったのは…新鮮だったからかな。自分を撮影すること自体が新鮮でしたし、今までは自分の写真や声が嫌いだったんですけど、だんだん慣れて抵抗がなくなっていきました。

 

はぎぱん:撮影だけでなく、編集するのも楽しかったですか?

 

たいぽん:編集も楽しかったですね。0からのスタートでしたが、覚えることすべてが楽しくて「生きがいってこういうことか」と思いました。少しずつコメントがついたりとか、数字がだんだん伸びていったりとか、反響ひとつひとつがうれしくて。

 

はぎぱん:YouTubeチャンネルの伸びはいかがでしたか?

 

 

たいぽん:2013年の5月に本格始動して、約半年後の年末にはチャンネル登録者数が6000人になっていました。目標は4000人だったので「すごいなー」ってちょっとびっくりして。2014年の年末には14万人になりました。最近だと1日で数万人増える人もいますけど、俺は一発でドカンと増えたことはないです。最初は1日1~3人増えていたのが10人になって、50人、100人とだんだん平均値が上がっていく感じでした。最大でも1日2000人以上増えたことはないんじゃないかな。コツコツ伸ばしていきましたね。

 

はぎぱん:YouTubeで生計を立てられるようになったのはいつ頃でしょうか。

 

 

たいぽん:2014年の夏にアルバイトを辞めたので、その頃ですかね。確か当時は7~8万円くらいの収益があって、まだアルバイト代の方が高かったんですけど、バイトを辞めてYouTubeに専念したらもっと稼げるようになるんじゃないかと思って辞めました。そしたら翌月から新卒レベルのお金が稼げるようになったんです。投稿する動画の本数を一気に増やしましたし、ちょうど夏休みでYouTubeが見られやすかったこともあるかもしれませんね。

 

たいぽんさんの自宅はとてもシンプルで、世間が“人気YouTuber”と聞いてイメージするような派手さはない。たいぽんさんに限らずYouTuberは一般人らしい家に住んでいることが多いが、独身男性の一人暮らしにぴったりな1Kで、想像以上に慎ましかった。

 

 

たいぽん:昔から、自分にはお金がないイメージがあるんです。高校生の時からずっとバイトしていて、楽器をローンで購入して毎月支払いがありましたし、専門学校時代も友達から1000円借りたりして。YouTubeも最初は収益が300円くらいでした。このパソコンももう5年くらい使ってますけど、永谷園の動画コンテストで優勝して勝ち取ったパソコンで、自分では購入していないです。そろそろ買い替えた方がいいんですけどね。

 

たいぽんさんの経歴だけをみると飄々とした自由人のようだが、話をじっくり聞いてみると地道な努力の人でもあった。そして、きちんと結果を出す人でもある。音楽の専門学校を中退して音楽の道を閉ざしたかと思いきや、彼はロックバンド『SEIZE THE DAY』を率いてメジャーデビューまで果たしているのだ。

 

 

たいぽんさんの知名度もあり、『SEIZE THE DAY』は最初のワンマンライブからチケットが完売した。結成1年でメジャーデビューして順風満帆だったが、そのたった1年後に解散。結成から解散に至るまでの紆余曲折と、同時に首をもたげたYouTuber活動の苦悩について伺った。

▼次:実力だけで戦うのはもう古い。50万人のファンを作り拡散力で勝負した

 

▼たいぽんさんの撮影風景密着記事
アダルティックYouTuber・たいぽんの動画撮影に密着してみた

 

取材・文/はぎぱん 写真/ひらはらあい

 

『たいぽん/TAIPON』YouTubeチャンネル

 

 

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