アダルティックYouTuber・たいぽんの動画撮影に密着してみた

2018.08.31 バラエティ
KEYWORD : #動画制作,#密着,#自己プロデュース

夏休み最終日、平日の真昼間。

蒸し暑さが気だるげに漂う駅の改札に立っていると、金髪にサングラス、ヒョウ柄のシャツを着た男性がやってきた。「はじめまして、たいぽんです」。派手な見た目に反した、穏やかな声だった。

 

 

肌は白く、中性的で整った顔立ちだ。「彼の周りだけ空気が涼しいのでは」と疑うくらい爽やかだった。もちろんそんなことはなく、ぽつりと「暑いですね」と言った。たいぽんさんは過激な動画の印象が強く『アダルティックYouTuber』とも呼ばれているが、終始落ち着いた物腰である。ずいぶん動画の印象と違う人だなと思った。

 

自宅の玄関にはたくさんの靴がぎっしりと並んでいた。男性の一人暮らしにふさわしい1Kで、家具は全体的に黒ベースでシンプルだ。

 

 

壁際には撮影機材や楽器があり、ソファー周りにはかわいらしいぬいぐるみがもたれかかっている。圧倒的クマ率だが、部屋の角にはピカチュウが何匹か身を寄せ合っていた。「かわいいですね」と言うと、「ファンの方がよくプレゼントしてくれるんです」とやわらかく笑う。ソファーにはYouTubeのロゴが入ったクッションが置いてあった。

 

 

たいぽんさんは、よく1週間企画の動画を作る。その名のとおり、1週間かけて何かを検証する企画だ。1日で完結せず、一週間撮り続けるため時間と労力がかかる。最近だとディズニーランドに1週間行き続け、飽きずに楽しめるか検証する動画を公開した。やはりかなり苦労したようで、編集にも時間がかかったと言う。

 

 

この日は美容サプリを一週間飲み続け、肌の変化を検証する企画の最終日だった。美容サプリを何袋も取り出し、「こんなに一気に飲んだら、絶対体によくないですよね」と笑いながら撮影の準備を始めた。照明機器にはビニール袋がかけられている。

 

 

はぎぱん:ビニール袋を被せると光がちょうどよくなるんですか?

たいぽん:はい。前はもっといい照明を使っていたんですけど、壊れちゃって。僕はもともと肌が白いですし、このカメラだと比較的明るく映るんで光をおさえたくて、ビニールを被せてます。

 

そう言いながら、ノートパソコンの前に腰かけた。編集ソフトを開き、最終日に至るまでの動画をざっと確認する。毎日撮影した動画をつなげて編集するので、前日までの流れも把握しておかないといけない。

 

 

また、動画のつなぎ方にも工夫が凝らされている。録画をスタートする前に、前日の動画のラストシーンを表示したスマートフォンをレンズの目の前に出す。そして録画スタートと同時にスマートフォンを手前に引いていくことで、スライドするように翌日のシーンへ切り替わり、タイムスリップしたかのような不思議な演出ができるのだ。

 

 

はぎぱん:その撮り方、すごくおもしろいですよね。

たいぽん:TikTokでもこういう演出ありますよね。

 

そう言ってから、たいぽんさんはちょっと顔を曇らせた。

 

 

たいぽん:演出って他の人と被ったりするんですけど、それに対して「パクリだ」みたいに言われることもあって、それが嫌なんですよ。撮影や編集って特許を取るものでもないし、パクるとかそういうものじゃないっていうか……企画だって流行りに合わせれば被ることもありますし。何にせよ、いいものできればそれでいいじゃないですか。

 

 

確かに、新しいものが伝染すると「真似している」「パクリですか」といった声があがるが、ファッションしかり、言葉しかり、流行とはそういうものだ。本当にいいものであれば流行に留まらず、そのまま定着する。よりよいものが普及するに越したことはないし、それによって業界全体が成長して繁栄すれば、結果的にもプラスだ。

 

 

前髪を整えてから、前日の撮影画面を表示したスマートフォンをカメラ前に持っていき、「撮ります」と言って録画ボタンを押した。

 

 

スマートフォンを手前に引きながら挨拶し、検証最終日であることを告げる。全部で5種類のサプリメントの袋を見せ、ティッシュの上に各サプリメントを出した。

 

 

そしてティッシュにのせたままカメラの前に持っていき、飲む量を見せる。

 

 

一気に口に放り込んで、ミネラルウォーターで流し込み、カメラに向かって話す。

 

 

たいぽん:毎日この決められた容量を飲んだんですけど…正直「おいたいぽん、効果あったのか」って言いたいところだと思うんですけど。

 

ここまで一息に話して、ちょっと間を置き、ちらりとこちらを見た。

 

たいぽん:実は今密着取材が来ていてカメラパシャパシャ撮られて恥ずかしいんですけど、頑張ってます(笑)

 

はにかんで笑う。密着させてもらっておいて言うのもなんだが、確かにひとりで撮影しているところを複数人に見られ、さらに写真に撮られるのは結構恥ずかしいのである。

 

 

たいぽん:(サプリを飲んで)肌が特別きれいになったとか、つややかになったとかはないですけど…

 

裏面を見て、効果・効能を確認する。

 

 

たいぽん:あー…あんま意味ないんじゃないかなって思うので。さすがにこんな全粒飲んだら良くないね。いうて7日間しか飲んでないから、全部20日分飲んだら変わるかもしれないけど。

 

とても正直なコメントである。飾らない言葉がYouTuberらしい。

 

 

たいぽん:僕は保湿が大切なんで、ヒアルロン酸を今日から飲みます。でも、みなさんこんな危険なことしないでください。綺麗になるかもしれない!と思ってこんなに飲まないでください。まあ、俺はピンピンしているし……肌に変化があるかって言うとわかりませんけど。

 

素直な感想をひとしきり述べて、動画の締めに入る。

 

たいぽん:それではここまでご視聴ありがとうございます、この動画が良いと思ったらグッドボタン、まだチャンネル登録をしていない人はぜひチャンネル登録よろしくお願いします。通知登録もしてくれたらうれしいです。

 

 

実際に聞くとかなり早口で、その流暢なしゃべり口に感心する。何度も動画を撮影しているので、言い慣れているのだ。

 

たいぽん:ではまた次回の動画でお会いしましょう。それではグッバイさよなら、パイオニ、ア。

 

語感のいい言葉で締める。録画停止ボタンを押すと同時に照れ笑いを浮かべて「ありがとうございました」と言った。検証動画で数日に分けていることもあり、撮影時間は5分足らずだった。1週間分の動画編集の方が時間がかかるだろう。

 

 

その後、写真撮影をさせてもらった。まずはバンドマンらしくギターを弾いてもらい、その姿をカメラにおさめる。

 

 

他にも何枚か撮影し、普通の男性だったら照れてしまうようなポーズもお願いしたが、カメラ慣れしているたいぽんさんはすべて的確に応えてくれた。終始、優雅な佇まいだった。

 

 

撮影が終わって帰る時、玄関まで見送りにやってきたたいぽんさんは、靴を履こうとするカメラマンに

「靴ベラ使いますか?」

と声を掛けた。

さらに、ドアを閉める前にこちらへ身を乗り出して

「駅までの道、わかりますか?」

と聞く。

 

取材中に何度か「俺やさしいので」と言っていたが、しみじみとそのやさしさを実感した。

金髪にサングラス、ヒョウ柄のシャツ。そして、底深いやさしさを纏っている。

 

 

▼たいぽんさんがYouTuberになった理由

内気な音楽少年が学校を中退し、人気YouTuberになるまで

 

取材・文/はぎぱん 写真/ひらはらあい

 

『たいぽん/TAIPON』YouTubeチャンネル

 

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