34年かけて見つけた天職でYouTuberに。“楽しい仕事”は存在する【MAX鈴木】

2018.08.18 グルメ
KEYWORD : #ファン作り,#企画力,#動画制作,#大食い,#自己プロデュース

 

「こんなに幸せな人生を歩めるとは、34歳まで一度も思わなかった」。34歳で大食い王になり、大食い界のスターとして一躍脚光を浴びたMAX鈴木さんだが、それまでの道のりは長かった。有名になってからも、YouTube動画の炎上や王者脱落といった挫折経験を味わっている。

炎上であきらめかけたYouTuber活動を続けて仕事にし、幸福に到達するまでの軌跡を伺った。

 

「おまえがやりたいことは何なの」と訊かれたら

フードファイターのMAX鈴木さんは毎日YouTubeに動画を投稿し、生計を立てている。「毎日投稿、大変じゃないですか?」と聞くと、首を振った。

 

 

MAX鈴木:それが、大変じゃないんですよ。好きでやってるんで。大食いで生きていこうって腹をくくってからYouTubeの毎日投稿をスタートして、もう半年経ちますけど、大変だと思ったことは一度もないです。

 

もともと動画に興味があったのかと聞くと、再び首を振った。MAX鈴木さんにとってYouTubeはあくまで大食い活動の手段であり、目的ではない。大食いの動画だから撮影や編集も楽しく、どんなに忙しい時もつらくないという。

 

 

MAX鈴木:仕事ってやるかやらされるかのどっちかだと思うんですよ。大食い動画の投稿はやりたいからやってます。別の仕事をしていた時は「仕事はやらされるもんだ」と思ってました。生活するために稼がなきゃいけないから働いていただけ。だから「だるいなー」と思うこともありましたが、今は一切ありません。

 

はぎぱん:大食いは特別なんですね。

 

 

MAX鈴木:はい。大食いだけは違います。実際には仕事なんですけど、もうとにかく楽しくて、仕事じゃないみたいです(笑)つらい時も強くなっている実感があるから楽しめる。そう思えるものに出会えたことが大きかったですね。

 

はぎぱん:仕事を「楽しい」と思えず悩んでいる人も多いと思うのですが、どうやったら楽しめる仕事を見つけられますか?

 

MAX鈴木:自分に嘘をつかないことじゃないですか。結局そこに行きつくんですよ。「おまえがやりたいことは何なの」っていう質問を自分にぶつけてみる。楽しいことがわかんなくなった時、俺は落ちるんだろうなって思います。「大変だ」と思うだけならやらない方がいい。その時点で楽しめてないし、向いていないと思います。

 

 

頬杖を突きながら「俺だって、ここまで長かったですからね」と静かに言う。MAX鈴木さんが大食いデビューしたのは34歳。30年以上、楽しいと思える仕事は見つからなかった。大食いができるとも思っていなかった。見向きもしなかったところに、幸福の芽があったのだ。

 

継続するためには“楽しむ”こと

MAX鈴木さんがYouTube動画の制作で意識していることは2つだけだ。ひとつめは、継続。撮影・編集はすべてスマートフォンで行い、カメラやパソコンは使わない。

 

MAX鈴木:撮影帰りの電車で動画を編集して、家に着く頃には作り終わってるんですよ。短い動画だったら1日で2~3本作れるので、毎日投稿も苦じゃありません。凝った編集は苦手なので、自分が続けやすいスタイルを貫いています。

 

基本的には毎日動画を投稿しているが、唯一投稿しない日がある。自分の動画が急上昇ランキングに入っている時だ。急上昇ランキングとは、人気のYouTube動画が紹介されるページのことで、掲載されればさらにアクセスを集められる。新しい動画を投稿するとアクセスが分散する可能性があるため、急上昇ランキングから外れるまでは新しい動画投稿を先延ばしにするそうだ。

 

動画制作で意識していることはもうひとつある。「自分が楽しめるか」だ。

 

 

MAX鈴木:「やってて楽しい動画、見て楽しい動画」が大前提です。そうじゃないと、視聴者さんも楽しめないので。でも実際にやってみないと楽しいかどうかわからないので、撮ってから没にした動画もありますよ。

 

はぎぱん:たとえばどんな動画を没になさったんですか?

 

 

MAX鈴木:死にそうな顔して食べている動画ですね。大食いのチャレンジメニューをただただ苦しそうに食べている動画もあって、それは没にします。チャレンジに成功したか失敗したかはどっちでもよくて、楽しめているかどうか。失敗しても、楽しめたら没にはしません。

 

苦しい表情になりやすいチャレンジメニューだが、現役フードファイターとしてのトレーニングも兼ねて積極的に挑戦したいと言う。

 

MAX鈴木:やっぱり、一番動画にしたいのは大食いのチャレンジメニューなんですよ。だんだん量を増やして、総重量8~10キロくらいのデカ盛りを食べたいです。たくさん食べて成長を実感できると楽しいですし、良い動画ができると思うので。

 

 

はぎぱん:確かに、フードファイターの方はチャレンジメニュー動画が人気ですが、反響が良い動画に共通点はありますか?

 

MAX鈴木:2パターンあって、まずは大食いチャレンジメニューをガチンコで食べる動画。笑いやコメントは一切無し、とにかく本気の大食い動画です。もうひとつは、ただおいしく幸せに食べる動画。「ガチンコの大食い動画はつらそうだから見ててつらい」って人もいて、そういう人はまったりした動画が好きですね。両極端ですが、両方必要なんです。僕はどっちも好きなんで、全部楽しく撮ってますよ。

 

はぎぱん:ファンによって趣味嗜好も違いますね。ファン作りのために意識していることはありますか?

 

 

MAX鈴木:サブチャンネルで、ファンの方と近い距離で接しています。サブチャンネルでは絶対に自分を偽らないと決めていて、素の自分をさらけ出しますね。メインチャンネルでも正直に話してはいるんですが、やっぱり仕事なので“MAX鈴木”の舞台を披露しているような感覚なんです。

 

メインチャンネルでは敬語で話すが、サブチャンネルでは“タメ口”でフランクに話す。おなじみのファンをあだ名で呼び、笑いながらカメラに向かって話しかける様は友人そのものだ。

 

 

MAX鈴木:オフ会もやっていますが、サブチャンネルでしか告知しません。サブチャンネルは仕事じゃなくてプライベートなんですよ。だからお店の予約もしないし、会費も取らない。普通の飲み会です。商業的なオフ会をやるならメインで告知して、収益出しますよ。でも、ファンの方とは素の自分で接していたいし、そうじゃないと楽しくないから、今のままやっていきます。

 

伝えたいメッセージなんて、ない。

「YouTube動画を通じて伝えたいメッセージはありますか」と聞くと、頭を掻いた。

 

 

MAX鈴木:大食いがメジャーなものになればいいなとは思ってますけど、そこから先は……正直に言っていいですか、ないです。人生をかけて取り組みたいと思える大食いに出会って、その大食いで何か伝えたいって言うよりは、プレーヤーであり続けたい。それだけです。

 

まっすぐで、純粋な答えだった。大食い王決定戦に初出場したその時から、MAX鈴木さんはまっすぐだ。

 

MAX鈴木:テレビではことごとくカットされた話なんですが……大食いに初出場した時、インタビューで「まだ余力を残してますか?」と何回か聞かれて、毎回「余力は一切残してないです。ちょっとでも余力を残して戦ったら、他の選手に失礼なんで」と答えてました。本当にそうなんですよ。手を抜いたことは一度もないです。

 

 

全力で戦い続け、今は大食い王に君臨するMAX鈴木さんが目指しているのは“早食い王”だ。

 

MAX鈴木:大食いと早食いって全然違うんですよ。アメリカのホットドック早食い大会に出たんですけど全然おなかに入らなくて、結果は7位でした。逆に燃えましたね、今度は早食いを極めてやるって思いました。

 

 

問題は、日本では早食いが受け入れられにくいことだ。綺麗に食べることを重んじる文化があり、荒々しく咀嚼する早食いは非難されやすい。

 

MAX鈴木:ホットドックの早食い大会では噛んだソーセージがその辺にこぼれていたくらいで、「綺麗に食べよう」とほんのちょっとでも考えたら早食いはできません。賛否両論あると思いますが、大食いや早食いは食事じゃなくて、スポーツなんです。早食いはどれだけの量を食べるかが勝負。アメリカだとたくさん食べて高いスコアを出せばウワーッと盛り上がるので、すごくシンプル。めちゃくちゃ楽しかったです。

 

 

現在、MAX鈴木さんはYouTubeで収入を得ている。動画に対する低評価が多いと人気が下がり、収入が落ちてしまう。そのため、日本文化との相性が良くない早食い動画には挑戦しにくい。しかし、早食いに本気で取り組んでいる者同士のコラボ動画撮影には意欲的だ。

 

MAX鈴木:まだまだ自分の力をつけたい時期なので、コラボ動画よりは大食いチャレンジ動画を中心に撮影したいんですが、早食いだったらコラボしたいです。同じ熱量を持っている者同士で集まると刺激を受けますし、楽しいですよね。早食いを手段として捉えずに、純粋なスポーツとして捉えている人たちで集まりました。盗める技は盗んで、もっと力をつけたいです。

 

 

これからYouTuber活動を始めるフードファイターをサポートしたいという思いもある。

 

MAX鈴木:僕自身炎上してドン底に落ちた時もあって、しんどい気持ちはわかるんで…何かあったら相談してほしいなって思いますね。YouTube動画を通じて、大食い界全体を盛り上げていきたいです。そう思える大食いに出会えて、本当に幸せなんですよ。

 

 

30年以上かけて見つけた天職だからこそ、大食いにかける思いは人一倍強い。

MAX鈴木さんは、エンターテイメントではなくスポーツとして、タレントではなくアスリートとして、大食いの真髄を魅せてくれるだろう。

 

取材・文/はぎぱん 写真/ひらはらあい

 

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