王者転落、人生のドン底へ。瀕死復活のドラゴンボール理論【大食い王・MAX鈴木】

2018.08.17 グルメ
KEYWORD : #動画制作,#大食い,#自己プロデュース

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YouTube動画が炎上。大食い王の知られざる苦悩【MAX鈴木】

 

2015年に大食い王決定戦に初出場し、驚異の新人優勝を果たしたMAX鈴木さん。しかし、翌2016年の大食い王決定戦では決勝戦で惜敗した。そこから人生のドン底が始まったという。

 

停滞する弱者は強者を拒絶する

MAX鈴木:くやしくてくやしくて、負けを受け入れられませんでした。人間的に弱い部分が露骨に出て、試合後はみんなと笑って話せなかったです。その場の空気が悪くなるってわかっていても、無理だった。

 

その後、結婚・独立して、公私ともに生活が激変。周りの環境はめまぐるしく変わっても心が晴れることはなく、負の感情を引きずったまま生きていた。

 

 

MAX鈴木:嫁さんに「2017年の大食い王決定戦で優勝できなかったら、フードファイターの道を諦めて普通の仕事をする」と約束しました。もう後がないっていう、がけっぷちでしたね。

 

ちょうどその頃、フードファイターのらすかるさんが現れ、期待の新人として注目を集めた。MAX鈴木さんの大食い記録を次々と塗り替えていったのだ。大食い王決定戦2017の前に何度か顔を合わせたが、精神的に追い込まれていたMAX鈴木さんは、らすかるさんを避け続けた。

 

MAX鈴木:人間としての器も小さければ心も狭かったんで、彼のことも受け入れられなかった。何か誘われても頑なに断っていました。口には出してないですけど「関わりたくない」って気持ちが露骨に出ていたと思います。

 

 

はぎぱん:らすかるさんを受け入れられなかった理由は、自信がなかったからでしょうか?

 

MAX鈴木:そうですね。自信がないから、相手を拒否することでしか自分のポジションを守れなかった。あの時の僕は「自分より強い相手を受け入れたら、自分の価値が無くなってしまう」と怯えていたんです。

 

 

成長した時、弱者は「楽しい」と笑う

自分よりも強い存在を拒絶して、自分の殻に閉じこもっていたMAX鈴木さんを引っ張り上げたのが、妻・ハニコさんだ。彼女はそれまで何も言わずに見守っていたが、周囲を拒絶する夫を見続けるのは彼女にとってもつらいことだった。我慢の限界に達した時、彼女は大粒の涙をこぼしながらこう言った。

 

「お願いだから、人に迷惑がかかることだけはやめて。大食いどうこうではなく、人として、やめて」

 

けして甘く優しい言葉ではない。だからこそ、MAX鈴木さんの固い殻を破った。

 

 

MAX鈴木:俺、何やってんだろうって思いました。嫁さんの一言で目が覚めたんですよね。俺が間違ってたんだとか、器が小っちゃかったんだとか、全部気づかせてもらえて。それまでは本当に余裕がなくて、自分のことも周りのことも見えてなかったんです。

 

その一言を聞いてから、まるで憑き物が落ちたかのようにすべてを受け入れられるようになった。自分の弱さを受け入れたら、拒絶していたフードファイターとも向き合うことができた。今では、らすかるさんとコラボ動画も出している。

 

 

はぎぱん:自分の弱さを受け入れることは、つらくなかったですか?

 

 

MAX鈴木:一番しんどいのは成長できない時じゃないですか。仕事でも何でも、成果が出ないとつまんないですよね。つまり、しんどいのは自分が弱いからじゃなくて、成長してないから。たとえ弱くたって、成長できたら「うわ、楽しい!」って思えるんですよ。だからつらい過程があったとしても、それで成長できたら楽しいって思える。自分の弱さを認めるのは勇気がいりますけど、成長できるならひっくるめて“楽しいこと”に分類できますし、そう捉えています。

 

同じタイミングでYouTubeチャンネルの登録者数が伸びたため、成長を実感しやすかったと言う。批判的なコメントを書く“アンチ”に対する考えも変わった。

 

 

MAX鈴木:今までだったら「うわー…」と凹んでいたレベルの批判コメントを見ても、「ああ、こういう意見もあるんだ」って思えるようになりました。前はその言葉をポーンと跳ね返す作業でストレスが溜まってたんですけど、今はサッと受け流せるのでストレスはありません。考え方が前向きになったんでしょうね。もちろん、心に余裕がない時に見るとショックを受けますが、平常心でいれば大丈夫です。

 

はぎぱん:特に大食いの方は、いろいろと言われやすいですよね。

 

 

MAX鈴木:大食いタレントはみんな通る道でしょうね。YouTubeはそういう批判コメントを乗り越えられるようになってからグンと伸びました。やっぱり、コメントを気にしている時は楽しめてなくて、良い動画になってないんですよ。「こう言われたらこうしなきゃ」っていう縛りから抜け出して一皮むけました。

 

とはいえ、YouTubeチャンネルは急激に伸びたわけではない。MAX鈴木さんは、自身を“超コツコツ型”と言う。

 

 

MAX鈴木:地味に地味に伸ばしていきました。コラボ動画で一気に登録者が増えたとか、そんなの一切ないです。ただ、ドン底期は登録者数が減っていたんですけど、今は増えてく一方なんですよ。すごくゆるやかですけど確実に増えていて、ありがたいですね。

 

手段が目的になった時、弱者は覚醒する

MAX鈴木さんは「精神が強くなると、フードファイターとしても強くなる」と言う。

 

 

MAX鈴木:本当に、考え方が変わるんです。「相手が強くて負ける」じゃなくて「相手が自分より強ければもっと強くなれる」って考えになりました。昔は自分より強い相手がいることが嫌で仕方なかったんですけど、今は幸せなことだなって思います。負けてドン底まで行っても、苦しんだ分だけ強くなれるんですよ。

 

はぎぱん:その考えは…『ドラゴンボール』のスーパーサイヤ人ですね!

 

 

MAX鈴木:それ!よく言われます(笑)瀕死になっても、サイヤ人みたいにブワーッて燃えてもっと強くなれるんです。

 

勢いを取り戻したMAX鈴木さんは、翌2017年の大食い王決定戦で見事王者に返り咲いた。

 

はぎぱん:2015年も2017年も同じ“優勝”ではありますが、MAX鈴木さんのなかで違いはありますか?

 

MAX鈴木:ありますね。2015年のデビュー戦ではまだ何もわかってなくて、優勝はしましたけど…それだけでした。「じゃあ、これからおまえは何がしたいの?」って言われても、何も答えられなかった。要は、テレビに出たいとか、有名になりたいとか、そういうのが目的になっていたんです。大食いは自分を飾るための手段に過ぎなかったんですよね。

 

 

「だから2016年は優勝できなかった」と断言する。

 

MAX鈴木:大食いを何かの手段にして生きるのか、大食いそのものを生きがいにするのか。2016年の大食い王決定戦で負けた時に、この違いを思い知らされました。ドン底を這いずり回ってさんざん苦しい思いをして、それでもやっぱり「大食いで勝負したい」と思った時に「大食いが俺の人生をかけるもんなんだ」と初めて自覚したんです。

 

 

自分を良く見せるための手段だった大食いが、自分が生きる意味になった。すると、大食いに対する迷いは一切なくなり、フードファイターとしての力も数段上に突き抜けた。

 

MAX鈴木:自分が売れたいとか、メディアに出たいとか、そういう欲は全部なくなりましたね。ゼロです。今は大食いでもっと上を目指したい。それだけです。これはもう、取材してもらえるんなら絶対に伝えたいと思ってたんですよ。

 

 

身を乗り出して、まっすぐにこちらを見る。何百人と取材してきたが、取材対象者が自ら「これだけは話したい」と言ったことは一度もない。それだけ大食いに強い思い入れがあるのだ。

 

はぎぱん:もし次の大食い王決定戦で負けても、前のように相手を拒絶しませんか?

 

MAX鈴木:しないですね。「俺より強い奴がいるんだ」って思って、もっとがんばります。だって諦めなければ大丈夫じゃないですか。次、勝てばいいんですよ。

 

 

その眼は爛々と光る。王者にふさわしい、ライオンの眼だ。

もしまた壁にぶつかったとしても、もう心はゆらがない。きっと軽々と越えていく。

 

取材・文/はぎぱん 写真/ひらはらあい

 

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